大蔵山に点在する伊達冠石の
巨石を用いた文化施設は、
山と石の生命を伝える
私たちの活動の象徴です
豊かな恵みをもたらした
里山本来の姿へ
土を戻し、緑を植えて
人々がふたたび集う採石場に
大正時代に初代・山田長蔵によって伊達冠石の採掘が始められた大蔵山は、人々が鹿やイノシシを狩り、春には山菜を、秋にはキノコを採取するような、豊かな自然に恵まれた里山でした。高度経済成長期の需要に伴い、盛んに採石を繰り返した結果、大蔵山の山肌は削られ、自然は大きく傷つけられてしまいました。1980年代に入り、家業を継いだ4代目・山田政博は採掘を終えた跡地に土を埋め戻し緑を蘇らせる作業を開始致します。採石場でありながら、再び人々が集う、緑豊かな里山の姿にしたい。 山田政博は「石は山の恵みそのもの。石をもたらしてくれる山に感謝し、山に命を返す」という信念を持つようになりました。
彫刻家や建築家とともに
伊達冠石で文化施設をつくる
修景作業という
山に命を返す営み
しかしその考えをもつものは彼だけではありませんでした。山田政博の周りには彼のベースとなる考えに共感する建築家や石彫家がいました。 そうして、伊達冠石の中でも特に大きな石は、神様として大蔵山の大地にお祀りしようと考えるようになりました。
こうして、巨石や巨岩を通して行ってきた太古の感覚を現代に伝えるため、特別に大きな伊達冠石を用いた数々の文化施設を、長い年月を掛けて造成していきました。雄大な大蔵山の風景に佇む文化施設群は、自然への畏怖と、自然に寄り添う心を表しております。伊達冠石を加工するだけでなく、石と生命のつながりを今に伝えることこそが、大蔵山の原点なのです。